弁護士 駒井重忠Blog

弁護士法人 菜の花

改正DV防止法が施行されました。

改正DV防止法が、1月3日に施行されました。

DV防止法の正しい名称は、

「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」

です。

従来、DV防止法が規制の対象としていたのは、

 「配偶者からの暴力」でしたが、

今回の改正で、

 「生活の本拠を共にする交際相手からの暴力」

も規制の対象となりました。

いわゆる、デートDVにも規制が及ぶようになったわけです。

ただ、同棲関係がなければDV防止法の規制は及びません。

もちろん、同棲関係がなくても、暴力をふるえば刑法で処罰されますし、

場合によってはストーカー規制法の対象となります。

「生活の本拠を共にする交際相手」とは、

 生活の拠り所となる主たる住居を共にする交際相手

とされています。

但し、

 婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないもの

は除外されます。

 

要するに、

 性的なつながりを持つ恋人同士の同棲関係

と考えれば、わかりやすいかと思います。

 

内縁の夫婦との違いは、「婚姻意思がない」という点ですね。

ちなみに、内縁の夫婦は、DV防止法の「配偶者」に該当します。

「生活の本拠を共にする交際相手」かどうかは、

当事者の意思も考慮されますが、

基本的に、生活の実態から客観的に判断されます。

 

つまり、加害者が、

 「同棲しているつもりはない!」

と言い張っても、

それだけではだめ、ということですな。

生活の本拠を共にしているかどうかは、

住民票の記載や、賃貸借契約の名義、公共料金の支払名義、

写真、電子メール、関係者の陳述等から判断することになります。

生活の本拠を共にするかどうかは、総合的に判断するわけですから、

たまたま住民票が別々であっても、それだけで否定されるわけではありません。

また、居住期間の長短だけで決まるものでもありません。

生計が同一であることも主たる判断要素ではないようです。

なお、

加害者が元彼、元彼女であっても、

交際解消前から引き続き暴力を受けている場合には規制の対象となります。

「もう別れたし。」

「彼女(彼)じゃないし。」

この一言だけでは放免されないということです。