児童福祉司の任用資格研修の講師を務めました。
例年、児童虐待の防止に関連する法律について講義しているのですが、
今回は、すこしテーマを変えてみました。
子どもと家族の法律というテーマで、
親子関係の成立や養子縁組、親権、未成年後見について、
お話ししました。
平成23年の民法改正によって、
親権喪失や管理権喪失に加え、親権停止制度が設けられました。
児童虐待が深刻な社会問題となっているからです。
親権は、子どもに対する親の義務でもあります。
養育の放棄や、子どもの利益に反した勝手な養育は許されません。
不適当な親権の行使によって子どもの利益が害される場合には、
2年を超えない期間、家庭裁判所の審判によって、
親権が停止されることとなります。
児童相談所長にも親権停止の審判申立権が認められています。
その結果、親権を行使する者がいなくなってしまう場合には、
家庭裁判所への申立によって、未成年後見人が選任されます。
児童相談所長は、親権者のいない子どもについて、その福祉のために必要があるときは、
家庭裁判所に未成年後見人の選任を申し立てなければなりません。