8月17日と18日の二日間、徳島県から来られた13名の徳島県災害ケースマネジメント推進チームとともに、鳥取県西部地震、鳥取県中部地震の被災者支援に関するヒアリング調査に参加しました。
このたび来県された徳島県災害ケースマネジメント推進チームの皆さんは、徳島県、徳島大学、徳島県社会福祉協議会、建築士、そして弁護士の方々です。
将来予想される南海トラフ大地震にそなえるため、鳥取県の災害ケースマネジメントと民間の活動について調査に来られました。
チームの中心メンバーである徳島弁護士会の堀井弁護士(平成30年度徳島弁護士会会長)から、鳥取県中部地震に対する鳥取県弁護士会の活動についてもヒアリングさせてほしいという依頼があり、それならばと、今回の調査にも同行させていただくことになりました。
堀井先生には昨年度の日弁連理事会で懇意にしていただきましたので、どちらかというと、堀井先生との再会を果たすべく、今回の参加が決まったというかたちです。
災害ケースマネジメントは、被災者一人一人に寄り添うかたちで、様々な分野の専門家と協力しながら生活復興プランを作り、これに基づいて専門家がチームで被災者を支援する方法で、被災者が地域で長く生活することができるように、もとの生活にできるかぎり早く復帰することを目的として支援活動を行うものです。
被災者一人一人に寄り添うことと、専門家の知見と技術を集めることに重点があります。
ケースマネジメントとは、生活に困難を抱え支援を要する人たちに必要な支援を効率的に届ける技術ですから、災害ケースマネジメントは、生活に困難を抱える被災者ひとりひとりの悩みに向き合うことになります。
被災者の悩みを聴くには、信頼と時間が必要です。見ず知らずの人にかんたんにうちあけられるものばかりではないからです。
信頼関係づくりは、平時から行わなければなりません。
普段から高齢者や生活困窮者の支援を行っている社会福祉協議会や社会福祉法人、民生委員や保健師その他様々な人たちの力が不可欠だということがわかりました。
県内の社会福祉法人が協働して生活困窮者に対する相談支援を行う「えんくるり事業」は、平時からの備えとして重要な位置を占めています。
そして、地域の住民同士のつながりが重要であることもわかりました。
鳥取県社会福祉協議会が行う「支え愛マップ」づくりは、地域住民のつながり作りに大いに貢献しています。
日野ボランティア・ネットワークが行う「ゆるやかな絆」「ゆるやかな連携」づくりという考え方も、たいへん参考になりました。
被災者支援は、災害時だけではありません。
災害前の平時、災害時、そして災害後の平時における支援が必要です。
重要なことは、地域における人と人とのつながり(信頼の構築)です。
行政にできること、民間にできること、それぞれの専門家にできること、そして地域住民にできること、それぞれの力を持ち寄って、災害に備え、復興を果たすことは、そのまま、人に優しい地域づくりにつながることがわかりました。
鳥取県弁護士会としても、地域に貢献できる協力態勢を作らなければなりません。
昨年度、会長職を経験し、災害対策復興支援を通じた地域への貢献が弁護士会の重要課題だと感じました。
災害対策委員会の組織を従来よりも強化しましたので、同委員会の副委員長として、大田原委員長とともに今後の取り組みを積極的に進めていきたいと思っています。
徳島県災害ケースマネジメント推進チームの皆様には、暑い中、鳥取までお越しいただき、鳥取県危機管理局の皆様、鳥取県社会福祉協議会の皆様、そして日野ボランティア・ネットワークの山下さんをはじめ、たくさんの方にお集まりいただき、たいへん有意義で、また楽しいひとときをいただいたことに感謝を申し上げます。
ありがとうございました。