重ねて「特定秘密の保護に関する法律」の廃止を求める会長声明を発しました。
特定秘密の保護に関する法律(特定秘密保護法)は、国民の多くの反対を押し切るかたちで平成25年12月に成立し、平成26年12月から施行されました。
特定秘密保護法は、民主主義の根幹である国民の知る権利と、報道・取材の自由に対する重大な脅威となる法律です。
日弁連をはじめ、全国の弁護士会、鳥取県弁護士会におきましても、歴代の会長が幾度か法案に反対する声明を発し、法律の成立に抗議し、さらに施行に反対してきました。
文部科学省の文書の存在をめぐる問題や、財務相の決裁文書改ざん問題、陸上自衛隊のイラク派遣時の日報の存在をめぐる問題など、行政文書の管理のあり方をめぐる問題が後を絶ちません。
このような社会的背景を受け、衆議院情報監視審査会の平成29年年次報告書では、特定秘密文書の廃棄問題が中心的に取り上げられました。
その結果、平成28年中に廃棄された保存期間1年未満の特定秘密文書は約44万5千件にのぼり、同年末時点の特定秘密文書件数(約32万6千件)を大きく上回ることが明らかにされています。
特定秘密指定が適切であったかどうかを事後的に検証するには、単に特定秘密の内容のみならず、特定秘密情報がどのように形成され、それを誰が、どのような目的で、どのように利用していたのかを含めて確認する必要があります。
このため、特定秘密文書は、保存期間に関わらず、廃棄を認めるべきではありません。
そこで、特定秘密保護法の廃止を改めて求めるとともに、廃止までの間の措置として、
1)特定秘密文書の保存期間を、写しや素材、暗号関係を含めて1年以上と定め、全ての特定秘密文書の保存期間に関して明確な基準を定めること、
2)特定秘密文書は保存期間満了後も廃棄せず、原則として全てを国立公文書館等に移管しなければならない旨の規定を公文書管理法等に定めること、
を国に求める会長声明を発しました。