弁護士 駒井重忠Blog

弁護士法人 菜の花

債権法改正

6月2日に「民法の一部を改正する法律およびその施行に伴う整備法」が公布されました。

いわゆる、民法債権法の改正です。

公布日から3年以内に施行されます。

 

改正項目は200を超えるようですが、

なかでも重要なポイントをいくつか挙げますと、

 

1 事業用貸金の個人保証について、公正証書の作成が義務づけられます。

→ 法人が借りる場合に、取締役や理事などの保証には適用されません。

 

2 債権の消滅時効期間が、債権者が権利を行使できることを知った日から

5年、又は権利を行使できる日から10年に変更されます。

→ 現行法は原則10年でしたが、改正法は原則5年ということになります。

→ 商事消滅時効など細かな短期消滅時効の規定がなくなります。

 

3 法定利率が年利3%になります。

→ 現行法は年利5%ですが、低金利時代にあわせて、年利3%となります。

→ 法定利率は3年ごとに見直されます。

→ 商事法定利率6%は廃止されます。

 

4 契約解除の要件として、債務者の故意又は過失は不要となります。

 

5 定型約款について、相手方の利益を一方的に害する条項については、

合意がないものとみなされます。

 

その他、詐害行為取消権の範囲の限定、債権譲渡における譲渡禁止特約の効力、

売買契約における買主の追完請求や代金減額請求、錯誤の取消権化など、

いくつかの改正点があります。

 

約120年ぶりの抜本改正と騒がれているようですが、

じつは改正点の多くが、従来の判例法理の確認であったり、

有力な学説の反映であったりします。

 

そうしたなかで、

一般の方にとって、特に重要と思えるものを5つピックアップしました。