鳥取県弁護士会は、5月3日の憲法記念日に、憲法の公開講座を開きました。
ところが、なかなか人が集まらないという悩みがあります。
憲法に関心のある方が参加してくださるので心強くもあるのですが、他方で、常連の方々ばかりでは心許ないというのが、正直な感想です。
みなさんは「憲法」というと、どのようなイメージを持っておられるのでしょうか。
「憲法」というと、なにやら左翼的なイメージが強いのではないでしょうか。
弾圧、抑圧、闘争・・・こういう言葉が似合う世界かもしれませんね。
イメージ的に、暗い、堅い、難しい・・・だから、どうも肌に合わないと感じておられる方も多いのではないでしょうか。「憲法」「人権」と聞くだけで、うさん臭い!という印象を受ける人がいるのではないかと思います。
ですから、憲法のシンポジウムに、子ども連れで参加する家族などきわめて例外的です(笑)。
ましてや恋人同士で参加するなど、ロースクールの学生以外には、まずあり得ないことでしょう。
私は、みなさんに憲法を知ってもらうためには、まず、みなさんが持っている「憲法」のイメージを知らないといけないなと感じています。
そして、みなさんが持っている「憲法」へのイメージを良いものに変えなければなりません。
語弊があるかもしれませんが、もっとセンスを磨かないといけないと思います。
私はいつも思うのです。
街頭で、一生懸命にビラを配ったり、演説をしたりしている運動団体の人たち。
彼らはなぜいつも黒っぽいジャンパーとかレインコートのようなものを着ているのでしょう?
なぜもっと明るく、ソフトに、ファッショナブルに、好意的に見てもらう努力をしないのでしょう?
まじめな闘争だからでしょうか・・・
でも、あれでは大切なことを言っても、町ゆく人たちの賛同を得られないと思います。
大切なことを言えば言うほど、かえって逆効果になるように感じます。
憲法のシンポジウムを開く場合も同じだと思います。
憲法についてみなさんに関心を持ってもらうためには、まずもって直感的に語りかけることが大切で、すこしずつでもイメージを暗いものから明るいものへと換えていかないといけない。
とっつきづらいものから、身近なものに換えていかないといけない。
ですから、シンポジウムや公開講座に「憲法」というテーマを前面に押し出してはいけない!
「100%憲法」で人が集まると考えるのは間違いです。まじめすぎる。
「5%憲法」という控えめなやり方が良いかもしれません。
何かのついでに、5%だけ「憲法」に触れてもらうという作戦を考えないといけないのではないでしょうか。
芸術に触れたついでに、すこしだけ憲法に触れてもらうとか・・・
広報やファッション関係のプロの人に力を借りるとか・・・
イメージを変えていく、いろんな工夫が必要でしょう。
これまでのやり方だけでは戦略を誤っていると思うのですが、皆さんはどのように感じますでしょうか?(駒井)