弁護士 駒井重忠Blog

弁護士法人 菜の花

鳥取地区調停協会および鳥取県調停協会連合会の会長に就任しました。

大正11年10月1日に借地借家調停法が施行されたことにより、調停制度が始まりました。

今年で調停制度が発足して100周年の節目を迎えます。

「調停制度100周年」特設ページ | 裁判所 (courts.go.jp)

 

調停は、裁判所での話し合いによって紛争を解決する制度です。

一般市民の中から裁判所によって選任された調停委員が、当事者の話を聞き、当事者双方の歩み寄りを促し、当事者の納得のもとに紛争を解決します。

調停は、訴訟手続(裁判)のように強制的な紛争解決手段ではなく、あくまでも当事者双方の納得のもとに紛争を解決するものです。

裁判とは異なり、双方の利益の間を取るような、あるいは双方の損得を交換しあうような、柔軟な解決が可能になります。

そして、裁判よりも早い解決が期待できます。

 

紛争には双方に言い分があるのが通常です。

必ずしも、どちらか一方だけが絶対に正しい、あるいは徹底的に悪いというものではありません。

「負けて勝つ」という言葉があるように、譲歩によって一見負けたかのように見えても、後に、それが理となり、利となることがあります。

このため、当事者には、自分の立場や感情を貫くだけでなく、相手の立場も理解し、大所高所から紛争を解決する姿勢が求められます。

 

調停委員にも当事者と同様、様々なものの見方ができる人間力が必要です。

当事者の話をしっかりと聞き、当事者の感情を理解し、そのうえで、当事者の立場に立って説得する力が必要になります。

的確な証拠評価、事実認定力と法的知識も備えなければなりません。

 

このため鳥取地区調停協会では、調停委員が集まり、年に数回の研修会を開いて調停制度や関係法令の調査研究を行い、研鑽を図っています。また、毎年、調停相談会を開いて市民の皆さまからのご相談を承っています。

調停協会は県内各地区にあります。ほかに倉吉地区調停協会、米子地区調停協会があり、独自に研修会を開くなどして、調停委員の研鑽を図っています。

これら各地区調停協会の上部組織として鳥取県調停協会連合会があります。

 

このたび鳥取地区調停協会と鳥取県調停協会連合会の会長に選任されましたので、100周年を迎えた調停制度が今後もさらに発展するように、「使える調停」を目指して、調停委員の皆さんとともに研鑽を図りたいと思います。

よろしくお願い致します。