弁護士 駒井重忠Blog

弁護士法人 菜の花

慶寿梨

東郷梨選果場に行ってきました。

毎年、ある方から「鶴の舞」という銘柄の東郷梨をいただくのですが、それがたいへん美味しいので、一度、選果場に行ってみようということで、行って参りました。

ところが、残念ながら、今年の直売はもう終わっていました。

選果場の人の話では前の日に今年の販売が終了したということでした。

妻が選果場の人に「いつもいただく鶴の舞が美味しくてね。買いに来たんです。」とかなんとか言ってねばっておりますと、「あぁ、鶴の舞ね。もしかしたらまだ残っていたかもしれないな。」という話になりまして、遠慮なく直売場の中に入れていただくことになりました。

「鶴の舞」はありませんでしたが、「慶寿」と書かれた二箱だけが直売場に残っていました。選果場の人から「これは慶寿という特別な樹から取れた梨です」と聞きました。

「慶寿梨」というのは、樹齢70年以上の長寿の樹から採られた梨だそうです。東郷町では12本の特別な樹と生産者を認定して「慶寿梨」と名付けているそうです。

選果場の人の話では、東郷町は梨で有名だけれども、梨の木が古くなってきているのと、生産者が高齢化していて、後継者不足に悩んでいるそうです。年々、生産数が減っていて、販売終了の時期も早まっているということでした。

そんな話を聞きますと、これは買わねばという気持ちになり、最後に残っていた「慶寿」二箱をいただいて帰りました。うち一箱は妻の友人に贈り物として届けました。

家に帰り、さっそく食べてみようということになりまして、近くの店で買った普通の二十世紀梨と比べてみることにしました。

どちらも二十世紀梨なので、味はたがうことなく二十世紀梨なのですが、普通の二十世紀梨よりも水分が多くて、甘みがしっかりしていました。最近はいろいろな梨が出ていますが、いわゆる甘い系、柔らかい系の梨ではなくて、二十世紀梨独特の酸味と歯ごたえがあるのですが、水分と甘さがしっかりしていました。

私が買った「慶寿梨」は、樹齢93年、幹周り1.4メートル、東西12メートル、南北12メートルのたいへん立派な樹から取れたものでした。また、生産者の方は90歳のかたで、今でも元気に梨と米作りに精を出されているそうです。写真にはご夫婦仲むつまじい笑顔が写っていました。

元気な生産者さんに育てられた元気な樹というのは、しっかりと水分と糖分をたくわえていて、だからこそ旨いのだろうと思いました。もちろん好みはあるとは思いますが、私は「慶寿梨」をとても気に入りました。食べものの味は、それ自体の味だけでなく、そのものの健康や作る人の気持ちをいただいてこその値打ちだと思います。

生産者さんと慶寿梨の末永い健康と長寿をお祈りしながら、感謝していただきました。

「残りものには福がある」と言いますが、たいへん良いものを買わせていただいたと思います。元気をいただきました。