世間では終活という言葉を見聞きする機会が増えたように思います。私も最近、そのような内容のご相談を受けることが増えました。終活と一口に申しましても内容は多岐にわたりますが、ここでは、生前における財産の整理や遺言についてのご相談のことを指します。
ご自分が前の世代から受けたバトンを次の世代につないでいくという意味で、前向きなお話しだと思います。
他方で、一部の方々の中に誤解があることも事実です。例えば、遺留分を度外視した内容でも、遺言という形にさえしておけば紛争は生じないと誤解されている方がいらっしゃいます。
また、遺言の作成は要式行為といって、法律で定められた形で行う必要があり、それに反すると遺言の効力が無効とされてしまいます。しかし、ご相談にこられる方の中には、この点に特に気を遣われずに遺言を作成したいとおっしゃる方もおられます。
法律の世界は、個人の熱意や良心だけで解決できるものではありません。
遺言の作成等をお考えの方がおられましたら、その際は、その思いを有効なものとするためにも、一度、弁護士にご相談いただければと思います。