この本は新書サイズだが、通常のB6サイズに比べて縦が少し長い。 なぜか。 本文の余白を生み出すために必要だったとすれば? 余白すら味わいの、解釈の対象であると私なりに理解したとき、本という宇宙の底知れぬ魅力に眩暈する。 […]
2025-14 伊藤和子著『ビジネスと人権―人を大切にしない社会を変える』岩波新書
グローバルな企業活動の展開に伴い、近年「ビジネスと人権」が重要な取組課題となっている。 2011年に国連が「ビジネスと人権に関する指導原則」を全会一致で採択したことを契機に世界中でビジネスと人権に関する潮流が生まれ、日本 […]
2025-13 井上達夫著『悪が勝つのか?―ウクライナ、パレスチナ、そして世界の未来のために』信山社法と哲学新書
本書は3つの論文から構成されており、第1章は主にウクライナ戦争について〔2023年5月〕、第2章はガザ戦争の勃発を受けて〔2024年5月〕、第3章はこれらの戦争の今日までの状況を踏まえた論考がなされている〔2025年1月 […]
2025-12 待鳥聡史・宇野重規編『〈やわらかい近代〉の日本リベラル・モダニストたちの肖像』
伝統的秩序への回帰を志向しないという意味で保守主義でもなく、急進的な体制変革を志向しないという意味でマルクス主義でもない、自由民主主義体制内からの積極的な近代化の推進を特徴とするリベラル・モダニストたち。 彼らの幅広く巨 […]
弁護士の本棚ー法律専門書(令和7年3月)
2025-11 渡邉雅子『論理的思考とは何か』岩波新書
最近話題の新書を読む。 論理的思考の方法は世界共通でも不変でもないことを知る。 本書で示された四領域の思考法(経済・政治・法技術・社会)を意識し、これを使い分ける訓練を実践する。 AI時代を生き抜くための多元的思考を獲得 […]
2025-10 G・バタイユ『太陽肛門』酒井健訳
「金属の輪は赤道のパロディである」 車輪の回転運動とピストン運動の結合は近代の象徴ともいうべき機関車の疾走を、まるで映画の一場面を想起させ、けたたましい警笛音と金属音が大地を揺らす。 煙突から爆発する蒸気は、地球にとって […]
2025-8,9 ヤッフェ編『ユング自伝1』『ユング自伝2』
ユングの深淵な内的世界に圧倒される。 即興詩のごとく一瞬の間に紡がれた言葉はユングそのものであり、時空を超えた人間存在の、神話の秘密に少しだけ足を踏み入れる。 人生の節目に読み返すことになる、私の中の大切な著作の一つ。 […]
2025-7 水町勇一郎『労働法入門 新版』
社会の変化と結び付きながら発展していく労働法の姿、そのエッセンス。