弁護士 今田慶太blog

弁護士法人 菜の花

養育費算定表の改訂

インターネットで「養育費」と検索すると出てくる「養育費算定表」(以下「現行算定表」と言います。)は、弁護士に養育費(離婚)のことを相談するか否かに関わらず、目にしたことのある方も多いかもしれません。

現行算定表は、2003年(平成15年)に『判例タイムズ』という法律雑誌に公表されて以来、「子どもの年齢や人数、夫婦の収入などを当てはめれば容易に金額を示すことができる」といった利便性から積極的に活用されるようになり、長年にわたり実務に定着してきました。現在2019年ですから、15年以上に渡って利用されてきたことになります。

現行算定表は、簡易迅速性や予測可能性などの点で優れていますが、他方、「算定表によることが著しく不公平となるような特別な事情」がない限り、事実上、その利用が強いられるというデメリットもあり、母子家庭の貧困の一因であるとの指摘もありました。現行算定表については「金額が低すぎる」といった改善を求める声が多々あったのです。

このような状況の中、日本弁護士連合会は、意見書を取りまとめたり、独自に検討を進め改良した算定表を公表したりして、現行算定表よりも高い金額の算定を提言してきました。

しかしながら、現行算定表の壁は高く、現行算定表の枠組みで金額が算定されるケースが大半であったと感じています。

 

さて、この度、最高裁判所が現行算定表を見直すことを発表しました。

新算定表は、令和元年12月23日に公表される予定です。

どのような内容になるのか、期待を込めて待ちたいと思います。